前へ
次へ

法律の解釈の在り方としての法源を考える

法源とは法律を実際に解釈する場合の根拠と言えます。
一般的には裁判官が裁判の根拠とするものです。
法源は普通に考えれば制定されている法典だと思えますが、それだけでは解釈しきれない場合があります。
そのようなとき慣習法、判例、条理、学説などを解釈の参考にする場合が多いようです。
慣習法とは、社会の慣習を参考にすると考えると分かり易いでしょう。
法典を補完するという言い方もあります。
しかし、法典の補充や解釈の根拠とするには、特に人の身体の自由を拘束する刑法や人の財産を拘束する租税法の分野で疑問視する場合もあります。
判例とは、先例という考え方です。
確かに同じような場合には以前の裁判が参考になりますが、以前の裁判に拘束されることには問題があります。
なぜなら、全く同じ事実関係はあり得ないからです。
とは言っても、判例は大きな法源です。
条理とは考える道筋です。
これを法源と考える場合もありますが、やはり刑法や租税法では問題です。
刑法は罪刑法定主義、租税法では租税法定主義が採用されていることを考えれば、こうした分野での条理による解釈はできないと言えます。
学説とは、法律の学者が解釈したものを裁判の参考にすることです。
学説は通説と有力説がありますが、一般的には裁判に採用された学説を通説と言っているようです。

Page Top